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スイーパーその2【★】

※腹責め小説
スイーパーその2

「こいつは酷いな。涼二お前もこっちに入れ。」


「え?いいよ。大丈夫だから。」
「いいから入れって!」

涼二の腕を引っ張り、傘の中に引き込む拓。
その拍子に涼二は拓の胸に顔をぶつけてしまった。
雨で冷たくなっていた涼二の顔は拓の胸の鼓動を感じた。
ピクッっと体が何かに反応する拓。

「いつも強引だな拓は。ん?どうしたの?」

拓の顔が真剣な顔つきに変わる。


「いや、何か悲鳴みたいなのが聞こえたような…。」
「悲鳴?女の?」

キョロキョロと辺りを見渡す涼二。

「ん~わからん。男の声かと思ったけど。雨の音が大きすぎてよく聞こえなかったんだ。」

「気のせいじゃ…」



『ぎゃああああああ!!!』

「!!!!」

涼二が最後まで言葉を発する前に、確かに何かの悲鳴が今度は涼二にも確かに
聞こえた。
「な、何今の?男の悲鳴が…。」
「あっちか?」
そう言うと拓は目を細めながら人気の無い道を進みだす。
さらに強くなる雨。

「たぶんここら辺だと思うんだけどなぁ。」
「もういいよ。暗くてよくわかんないし、行こうよ拓。」

涼二の制止も聞かず、どんどん路地裏に進む拓。

「何かあったらどうするのさ。ねえ。」
不安で拓の腕を握る涼二。
「大丈夫だって。俺がいるんだから。」

「それはそうだけど…。
まったく、好奇心旺盛なのは昔から全く変わんないね。付き合わせられる身にもなってよ。
そんなんだから前の彼女とも上手くいかないんだよ。」

「お前、何でそこでそういう話になるんだよ。だいた…。シッ!」

拓は急に涼二に黙るように指示した。
「何か話し声が聞こえる。あっちだ。」

さらに路地裏を曲がる2人。

そこは何も無いただの行き止まりになっていた。



「誰もいないじゃん。やっぱり聞き間違いだよ。猫か何かだったんでしょ。」



安堵する涼二。拓の腕を握っていた手の力も一気に抜けた。



「もう、早く帰ろうよ。お腹すいたからさ。…拓?」



拓の顔はさらに強張った表情に変わっている。



「涼二!見るな!」



「へ?」



「見ちゃだめだ!」



さっき曲がった道の反対に中年の男が1人倒れていた。

道には雨でも流れきれない程の血液が飛び散っている。

その男は仰向けに倒れ、まだ体から溢れんばかりの血が流れ出ているのだろうか。

体の周りに血の水溜りが出来ている。

どうやら胸や腹を何回も刺されている様だった。



「しっかりしろ涼二!」



それを見て、涼二は体中の力が抜け意識が飛ぶような感覚に襲われる。

しかし、拓の声によってどうにかそれは免れる。

だがそれよりもその男の横に4人の男が立っているのにようやく

気が付いた。



「…これは困りましたね。せっかく雨の音で綺麗に掻き消せると

踏んでいたのですが…。見られちゃいましたね。」



「すんません兄貴。浩司の奴を見張りに立たせていたんですが、あいつ…。」



「まあ、何とかなるでしょ。とりあえず、解ってるよね佐渡君。」



見た目サラリーマン風の男が佐渡と呼ばれた長身の男と話している。



「じゃあ私は先に行くが、殺しはするな。後は好きにしていい。」


「はい。おい、奴等を捕まえるぞ。」



男達が涼二たちの方向に向かって走ってきている。



「ちっ。参ったなあ、まさか殺害された男の悲鳴だったなんて。

奴等こっちに来てるな…。もう少し道が狭けりゃ1人ずつ相手に出来たんだけど、

3人か…。ギリギリか?」



呆然と立ち尽くしている涼二とは対照的に、拓は冷静に状況を判断すると、

涼二の方を向き涼二を安心させようと手を握った。



「これ荷物な!ちょっと持っててくれ。すぐ終わるから。」



荷物を渡す拓。



「いくら拓でも3人相手には無理だよ。逃げよう!」



しかし拓は聞く耳をもたない。すでに腰を軽く落とし相手が向かってくるのを

待ち構えている。



「へえ、…素人じゃあ無いようだな。」



佐渡は拓と部下2人の様子を静かに見ている。

ついに男が涼二達のところまで来た。

1人目の男が拓の顔面めがけて右ストレートを放つ!

しかし拓は顔のすれすれで男の拳を受け流す。

そしてその反動を利用して男の側頭部にハイキックを決めた。



男「ぎゃっ!」



男は白目を向いてその場に崩れ落ちた。



「っしゃあ!!次ぃ!!」



2人目の男は腰から提げていたナイフを取り出し拓に振り下ろした。



男「こいつがああ!!」



興奮して拓に襲い掛かる男。

だが拓には動きが遅すぎたようだ。軽々とそのナイフを避ける。

そして、相手が手に持っていたナイフを蹴り上げナイフを手から離させると、

相手の顎に強烈なフックを放つ!



男「あ…。」



男は佐渡の足元に吹き飛んだ。



「うっし!!」



「やるねえ。だけどいいのかな?お友達は。」



「!?」



拓が涼二の方に振り返る。

そこには大柄な男に羽交い絞めにされ、首筋にナイフの刃を当てられている

涼二の姿があった。



「拓…。」



「なっ…、涼二を放せ!!そいつは関係ない!」



拓の顔色が変わる。涼二を人質に取られ動揺してしまっている。



「浩司、お前何処いってたんだよ。見張っとけっつっただろ。

面倒ごとがまた増えただろうが。」



「雨にずっと打たれてたら、小便したくなって。すみません。」



「アホか。そんくらい我慢しとけボケ!」



「…。」



ゆっくりと拓の所に歩み寄る佐渡。

拓は佐渡を睨みつけている。傍までくるとその男の威圧感は凄まじい。

離れているとあまり感じなかったが、デカイ。涼二にナイフを押し付けている

浩司という男もデカイが、身長だけなら佐渡のほうがあるだろう。

おそらく190センチはありそうだ。

それに対し拓の身長は175センチ程だ。

体格がもの凄い彼もこの身長差は脅威だった。



「凛々しいね。いい顔だ。」



拓の顔を人差し指でなぞる。

顎のところに指が行くとクイッと拓の顔を上に持ち上げた。



「くっ。」



「あまり調子に乗らないことだ。」



拓の口を手で塞ぐと脇腹に拳を打ち込む。



ズンッ!!



拓の顔が一瞬苦痛に歪む。



「ンーンーッッ!!」



「…。場所を変えよう。ここだといずれ警察が来る。」



「うっす。おい!ちゃんと歩け。」



涼二は浩司に持ち上げられ、半ば足が浮いた状態で運ばれている。



「お前ら何時まで寝てるつもりだ。行くぞ。」



拓に倒された男達は頭をさすりながら起き上がった。

彼らは状況を把握すると、自分達が乗り付けてきた車に

すぐさま向かった。そう遠くない所で車のエンジン音が聞こえる。



「さあ、俺達も行くぞ。」



「くっ、何処に行くつもりだ!!」



「何処って、俺達が雇われているビルさ。さっさと歩け。」



佐渡は足元に落ちているナイフを拾うと拓の背中に突きつけた。

路地を抜けると少し広い道路に出る。街灯も無い道路に、車の

ライトがまぶしく光っている。いつも通っている道がこんなにも

闇に包まれる所だったとは…。

車に着くと、すでに涼二は浩司と共に車の後部座席に座っている。

さっきの男達2人は運転席と助手席に待機していた。どうやらこの2人は

立場的に浩司よりも下のようだ。拓を先に車の後部座席に乗せる。

佐渡はナイフを拓の脇腹に向けて、反抗できないように密着して座った。



「出せ。」



車は闇の夜を切り裂くように突き進む。

夜中まで降るだろうと思われた雨はすでに止んでいた。
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| スイーパー | 21:27 | コメントする:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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スイーパーその1

※腹責め小説
スイーパーその1

「遅いな~、何やってんだろ拓。雨まで降ってきちゃったじゃん。
こんな事ならもうちょっと時間潰してけば良かったかな?」

全国的に梅雨が終わりかけの季節…。
涼二は通っている高校の少し先にあるコンビニで、友人の拓を待っていた。
拓とは小学生の頃からの友達でいつも一緒に遊んだり、勉強したり、
お互い恋の相談をしあったり、でもそれぞれ性格のタイプが違っているせいか、
よく口論になったりと忙しいコンビであった。
涼二はどちらかと言えば温厚で真面目な性格をしており、高校でもあまり目立った
存在ではない。部活は弓道部に所属しているが、2年になった今でも上達しているかと
いうとさっぱりな腕である。正直入部して2ヶ月ほどの新入生のほうが上達の
スピードが速く、涼二を軽く追い越しそうだ。
それに対し拓は何事に対しても前へ前への積極的な性格をしている。
小学生の頃から始めていた空手は強く、県でも上位に入るほどの実力である。
高校では前々から野球に興味があったためか、空手部からの入部の誘いも断り、
今では野球一筋の高校球児を楽しんでいる。もともとスポーツは何でもこなす拓であったが、
野球で有名な高校で既にレギュラーを獲得している。そのためかどうかは分からないが、
高校内ではその爽やかな顔も相まってかなり人気があるようだ。

ふと涼二が顔を上げて高校に向かう道を見ると
拓がこちらに走って来ているのが窺えた。

「はあ、はあ、ごめんごめん。かなり待っただろ?」

「いや大丈夫だよ。でも遅かったね。」

「大会も近いからさあ、監督の練習がキツイのなんのって。
もう散々いじめられたぜ、まったく冗談じゃない。」

「あっそうか。地区大会が始まるんだったね。」
「……。」

傘も持たず走ってきたため拓は全身が雨でびっしょり濡れていた。
よほど全速力で来たのだろうか、喋りながら肩で息をして呼吸を整える。
制服の白いYシャツが透けて拓の逞しい体をさらに際立たせている。
息をするたびに褐色の胸の筋肉が上下に動いているのがよくわかる程だ。
それを見て涼二は少しだけ黙ってしまった。

「そうさ。去年は県大会で準優勝だったからな。今年こそ甲子園に行かなきゃな。
うん?どうしたんだ涼二?」

「…いや、…何でもないよ。」

「?そういえば、今日何か相談に乗って欲しいから俺の部活が終わるのを
待ってたんだろ?何だ相談って?」

喋ると同時に拓の顎から水滴がしたたり落ちる。

「…ああ、やっぱいいや。ごめん。」

「?」

涼二はもう弓道部を辞めようと思って拓に相談しようとしていた。
拓と違って運動が得意というわけでも無い。容姿も平凡な高校生。
それとは逆にスポーツ万能で容姿も体も申し分ない拓。
比べちゃいけないとは思っていても、どうしても比較してしまう。
あっという間に野球を自分の物にし、レギュラーまで掴んだ友人。
反対にどんなに頑張っても一向に上手くならない自分に嫌気が差したのだ。
下から追いつかれ抜かれていく恐怖。

「まあ、涼二がそれでいいんなら別に良いけど。じゃあ帰ろうぜ、辺りはもう
真っ暗だし。あ~、でも今夜は雨かぁ。外で練習できないな。
家の中で素振りすると親父が怒るからなあ。でもいいか。そ~とやっちゃおうっと。」

「えっ?帰ってからも練習してるの?毎日夜遅くまで?」

「ああ毎日の日課のようなもんかな。普通誰でもしてるよこれくらい。
じゃないと皆から遅れをとることになるからな。それだけはなんとか阻止しないと!」

拓はそう言うと涼二の肩をポンポンと叩きながら笑っている。

夢に向かって一点の曇りもない拓の表情を見て、自分が今思っていたことを恥じた。
涼二は必死で努力したことがあっただろうか?いつもこれ位頑張れば大丈夫だろう…。
そんな軽い気持ちで練習していたのではないのだろうか?
そして拓の笑顔で涼二は少し救われた気分になった。いや、救われたのだろう。

「しっかしよく降るなあ。傘持ってきてねぇよ俺。最近天気予報外れすぎだぜ。」

「これ使っていいよ。ほら。」

涼二は自分が持っている傘の柄を拓の腹に押し当てた。

「へ?いいのか?それじゃ涼二が濡れちゃうぞ。」

「いいんだよ。拓がこれ以上びしょびしょになって風邪でも引かれたら、
こっちも迷惑だよ、まったく。はい!その代りこれ持ってよ!」

涼二は照れながらもう一度柄を拓の腹に押し当て、鞄を拓の手に渡した。

「荷物持ちかよ!しょうがねえなぁ。っと。」

Yシャツの袖を肩にめくり上げる拓。
自分の荷物と涼二の荷物を片手で軽々と持ち、その力強い腕がますます太くなる。
力こぶは中にリンゴでも入っているかのようだ。

「じゃ、行こうぜ。」

拓は傘を広げ、荷物が濡れないように配慮しながら歩き始めた。
10分程だろうか、しばらく歩くと一段と雨が酷く降り始めた。

-その2へつづく
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