腹筋UK

腹筋・腹責め大好きブログ

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腹責め小説~フラッシュバック其の6~【★】

腹責め小説 『フラッシュバック』その6

「おい、巧。陸斗を立たせろ。」
ソウギがカメラを操作しながら巧に指示する。

「うす。」

リング中央付近で腹を抱え横たわっている陸斗の腕を
無理やり掴むとそのまま引っ張り上げる巧。

『ぐあっ!!!』
「もう少し頑張れよ。おらよ。」
肩に腕をまわしなんとか立たせてやる

『はぁはぁはぁ、(やばい…腹筋に殆ど力が入らない…)』
立つには立ったがフラフラ状態でボディへのダメージが限界に近い。

「ほらほらグローブ構えて!一発気合入れてやるよ!」

ズンッッッ!!!!!!
gut623.jpg

『ぐへぇッッ!!!!』

ガラ空きの腹に赤のグローブが重い音を鳴らしながら
グイッとめり込んでいる。陸斗の汗がリング上に飛び散りまくる…!!
ぐぐっとなんとか腹に精一杯の力を込め歯を食いしばり、
足に力を込め倒れそうな体を持ち直そうと必死な陸斗。

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腹責め小説~フラッシュバック其の5~【★】

腹責め小説 『フラッシュバック』その5

「金が入金されたようだ。相手指定の場所に行くぞ。」
相変わらず陸斗に対しツンツンしている巧が運転する黒塗りの車で、
その場所に行く。

「今日は自分も行きますよ。そろそろお仕事しなくちゃですし。」
阿蘇田が自然に後部座席の陸斗の横に滑り込む様に座る。

『(この人のお世話にならないようにしたいものだけど…)』

小一時間ほどで指定場所に着いたようだ。
『ボクシングジム?』
「ああ、借り切ってるらしいぜ。思う存分やれるな。」

なにやら外観は古びたジムだが中はかなり洗練された雰囲気を漂わせていた。
リングの中央でシッシッと空気を切るような音が聞こえる。

『あいつが東呉?小柄だけどかなり絞れた体をしているな…
腕力がありそうだ…。』

「へぇ便利な体ですね。一人で先陣切って相手をかく乱するのにも向いてる。
スピードもかなり速そうです。先手必勝タイプですね。
…って今日はずっと先手でした。」
阿蘇田が一人でぶつくさ呟いている。

tougoa1.jpg

「やっときたか。待ちくたびれたぜ!お前が黒谷陸斗?
画像なんかよりカッコいいじゃん。それに…」

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腹責め小説~フラッシュバック其の4~【★】

腹責め小説 『フラッシュバック』その4

「起きて下さい黒谷陸斗君。お仕事ですよ。」

rikutosleep1.jpg

誰かが体を揺らして自分を呼ぶ。ここどこだ~?と寝ぼけそうになったが
目の前の爽やか風な眼鏡の男が嫌でも視界に入ってくる。

『10時か、よく寝てしまった…』
部屋に備え付けの時計がぼんやりと音を鳴らしている。
自分でもがっかりしてしまう程の爆睡だ。

『え?てかなんで俺上半身裸なんだ?服着てたよな。』
シャツがいつの間にか脱げてる、下はなんとか大丈夫…なのか…?

「寝起きの目の保養…というか君はずっと半裸で過ごしていいのでは。
どうせ服着る事のほうが少ないはずですよ。」
そういうものか~と納得しかけていたが、陸斗のすぐ側には
ニッコリとほほ笑む阿蘇田。犯人はこの人だと否応にもわかってしまった…。

『仕事?』
とりあえずこの事はスルーして話を進める。

「ソウギさんが呼んでますよ。」

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腹責め小説~フラッシュバック其の3~【★】

腹責め小説 『フラッシュバック』その3

「お、きたきた。ここだ阿蘇田。」
一時の沈黙の後ソウギがニコニコで出迎える男。

「本当ですか?人を殴っていいって。
あ、僕、犯罪に巻き込まれるのだけは嫌ですよ。」

asoda1.jpg

見た感じ普通の大学生のような感じの男がやってきた。
長身で眼鏡を掛けたいかにも真面目っぽい雰囲気。

「大丈夫だって。阿蘇田も疑い深いな。人っつうか主に腹だがな。」
ちらっと陸斗のほうを見る阿蘇田。
「この人ですね言ってたのは。…へぇ~触ってイイですか?」
眼鏡の奥の瞳が鋭く光っている。

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腹責め小説~フラッシュバック其の2~【★】

腹責め小説 『フラッシュバック』その2

「なーに、簡単なことだ。お前のその体を顧客に殴らせてやって
金稼ごうっていうわけだ。名案だろ?」

男はニヤニヤしながら黒谷の日焼けした顔を見た。
少し引きつった様子の顔を…

「それにお前は顔もそこそこ端正な男前だしな。
これはかなり値がつきそうだ。ふふ。巧と有司、綺麗に撮ってやれ」

パシャ!!パシャ!!
巧と有司と呼ばれた男達が黒谷の全身を隅々まで写真に収めていく。
おそらく『殴られ屋』というサイト上での黒谷のプロフィール用の画像の為だろう。
鍛え抜かれた彫刻の様な肉体を余すことなく収めていく。
そして…

『ちょ!!ここもかよ!!やめろって!!』

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腹責め小説~フラッシュバック其の1~

腹責め小説 『フラッシュバック』その1

「はい、準備は出来ております。予定通りに目覚めたようで…
被験者は…はい。実験と陽動を開始します。」
        
--------3時間後-------

「おいおい兄ちゃん逃げたら駄目だぜ?」
全力で逃走中真っ最中な青年が日差しが強い中
意識朦朧となりながら汗だくで走っている。
薄っすらとシャツの上から中の腹筋が浮かび上がり
その逞しいと思われる肉体が高揚していく…
『なんで俺、あんな奴らに追われてるんだっけ…!!はあはあ…』
ハッ!!
『…借金だよ、そうだよあの馬鹿あほ親父!!』
考え事をしたのがまずかったのか、男達の一人に回り込まれてしまう!!
『がっ…は、放せ!』

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スイーパーその12(終)【★】

※腹責め小説

スイーパーその12


「いつまで腹抱えてんだ?」

佐渡は拓の両手首を無理やり掴んだ。

「ほら、バンザイだ。よく腹を見せろ。」

激しく嫌がる拓だが力では佐渡には敵わない。

壁に拓の肉体を強く押さえつける。

「何か言うことはあるか?」

「地獄に…落ちろ…。」

「そうか、地獄の苦しみを味わいたいか。俺の膝でいいな?」



ズンンッッッ!!!!!!

「お…おごっ!!!…」




拓のレバーを佐渡の膝で潰す。

「あぐっ…手を…放…は…ぁ。」

「ああ、いいぜ。」

パッと手首から手を放す。だが、



ゴボォォォ!!!!!

重心を落とし腰にひねりを加えて威力を増した拳は真っ直ぐに腹を貫いていた。

その拳は既に腹に力を入れられない拓の腹筋の中に埋もれている…。



「げふっ!!!…がはぁ!!!」



拓の体は壁と拳に挟まれて宙に浮いている状態だ。

力を無くした足が地に着くことも出来ずにいる。

「どこまで埋まるかなぁ!!!」

さらに腹の中に拳が奥に埋まっていく。佐渡の手首まで完全にうまってしまった。

「があっ!!!!あっ!!…あっ!!」

咄嗟に佐渡の腕を掴み埋まっている拳を引き抜こうともがき苦しむ拓。

腹の中を直接かき回されている感覚が襲ってくる!!!

「そう暴れるなよ。」

ゆっくりと腕を引き抜く佐渡の目には潰された拓の腹筋が見えた。

「ぐおぉ…俺の…」

凹んだ腹筋を抱え再びその場に蹲る拓はその苦痛に顔をしかめる。

「腹もよくほぐれただろ?」

「…うぅ…おえぇぇっ!!!」

残り少ない胃液を吐き出す拓の全身は滝のように汗が噴出していた。

「いい声で鳴くお前は最高だ。」



「(こい…つ、や…ばい…)」



佐渡は膝を立てて拓を頭上まで持ち上げる!!そしてその膝の上めがけて

拓の腹筋を押し付けるようになげつけた!!



ドボォォォ!!!!!!!



膝に腹部を強打し、そのまま人形のように跳ねながら拓は倒れている。

「ううっ。」

そのまま容赦なく腹を足で踏み潰す。



ズムッ!

「はぅ!」




「ん?内臓マッサージは気持ちいいか?」

ボディ!ボディ!

「遠慮するなよ。」

「はうっおうはうっはうっ!!」

ボディ踏みの連発。面白いように腹に埋まるのを確認しながら右足、左足にと重心を傾ける。

ドスッ!ドスッ!ズムッ!ドスッ!ドスッ!ズムッ!ドスッ!ドスッ!ズムッ!

「あっ・・うっ、うっ、はがっ!ごふっ!!!」

我慢できずに拓の口から流れ出る液体…。



「うごぇぇっ!!!」



「ここらが限界か?そろそろいいだろ、吐かせてやるよ。胃液も飽きたしな。一発決めてもいいだろ。」

腹をかばう様に体を縮めている拓の姿に更に興奮した佐渡。もう止まらない。

拓の頭を掴みそのまま体を持ち上げ…、そして拓の顔を自分の目線まで近づける。

「俺の肘をくらってみるか?その腹筋の鎧に。」

そう言うと、軽々と拓の体を壁際に投げやり、肘を突き出し勢い良く突進する!!!



ドボボボオオォォゥゥッッ!!!!!



壁と肘に挟まれた腹筋の鎧。



「は…らが…」



深く突き刺さった肘がめり込んでいる…。そして、

グチャッ!!!という奇妙な音が駐車場に響いた。腹筋を潰し、胃袋が完全に潰された音が…。



「……はうっ………!!!」

「……は………ぁ…!」




拓は体をようやくくの字に曲げ肘で潰された腹を両腕でおさえた。



「う、ご……」



拓の腹筋がビクンビクンと激しく波打ち伸縮していく。

拓の顔にはアブラ汗がしたたりゆがみ、目の焦点は空を彷徨っている。

「いい顔だ。そらよ。」



ズドォォ!!!



止めにと追い討ちでボディブローを鳩尾に放つ!

「ごふっ!!!」


腹に拳をめり込まされそのまま体を持ち上げられている…。

拓の目が今までの無く大きく見開かれ、

「!!!!!……うぐぇぇぇぇぇっっ!!!…」



口から粘っとりとした血を吐く拓。それは口から涎のように垂れ下がっている。

それが糸を引きピチャピチャと床に落ちていた。



「おえぇ、げはっ、ぐえぇ!!!」



膝をつき両腕で潰された腹を抱え込みうずくまっている拓。

全身が筋肉の塊と言われている拓の体がビクッビクッと痙攣している。



「おうぇ!!!…ぅ…ごふっ!!!…ぉ…ぁ…」



「仕上げに…。」

「うぅ…はぁ、はぁ、はぁ…」



再び拓をバンザイの状態にし、壁に押し付ける。

「臓物の掃除だ。」

拓の腹筋をなでる。そして拓の腹部を満遍なく膝で突き刺し、拳で確実に潰していく…。

10発…50発…100発…



ゴボォッ!!!ズンッ!!ドズゥッ!!ボグォォ!!!―



「かはっ、おぐっ、うえっ!はうっ…はあっ…ぅっ…!!」



段々と弱くなる呻き声を上げる拓に反応し、更に力を増し容赦なく責め続ける佐渡。



「はうっ…はうっ…はうっ…!!」



拓の腹筋がビクビクと激しく動き続ける…。

拓の首筋の血管は今にもはちきれんばかりに太く浮き上がり、

それに呼応して拓ののど仏が上下に動き、口からはだらだらと血反吐などの液体が体の筋を伝い流れ落ちている。



ボキッッ、ベキョッ!!!



「ぐあっ!!!がっ(アバラが…)」

「折れたか?いい音だったな。」



ドムッ!!!ドボォ!!!

「おぐぇっ!!!…ぅっ…ぉぅ…」



拓の腹がドス黒い紫に変色しても尚、佐渡の腹責めが続く…。

「いよいよボロ雑巾みたいになってきたなお前。半殺しにされた気分はどうだ?くくくっ。」ボディ!!!



グボォォォ!!!!!


「ぐえっ!!!」



「止めろ…。おい…、貴様…いい加減に…。」

海堂の声が怒りに震える。



「かはぁっ!!!!」

「おっと鳩尾に入ったか?」


拓の腹筋を触りながら佐渡は言う。拓の肉体はビクンビクンと痙攣を繰り返している。

「止めろぉぉ!!!!!」

海堂の悲痛な叫びが再びこだまする。



「…いちいち煩いですね海堂さん。」

ドサッ―

拓の腕を放すと、拓はその場で崩れ落ちるように前のめりに倒れた。



「先に逝きますか?」

冷徹な目を向け海堂の方に歩く佐渡。だが―。

「ん?」

途中、何者かの手が佐渡の足をつかんで放さない。

「お前も往生際が悪いな。その手を放せ。」

「放すか!!」

涼二が佐渡の足に纏わりついている。

「この!!!」

「ちぃっ!!!!」

バランスを崩し後ろによろけ、倒れそうになる佐渡。

「拓…後は…。」

「さ、佐渡の兄貴!!!!」

浩司の声が届くのは、やはり遅かった。

「うっ…ぐっ、助かったぜ…涼二…。」

脇腹を押さえながらも立ち上がっていた拓。

意識が朦朧としながら、(涼二が作ったチャンスを無駄にはしない。)それだけが頭の中に流れた。

「これで―。」

佐渡の目には、既に拓が自分に向かってハイキックを仕掛けているのが映った。

(最後に残った力だ…。)

意表をつかれた佐渡にはもはや避わすことも出来ない―。

「なっ!!!」



バキィィッッ!!!!



「があああっ!!!!!」

「ぁぁ・・・・・」ドシンンッッ―。

テンプルを見事に打ち抜かれた佐渡は力なく顔面から地に伏した。



「はぁはぁはぁ(もう…)」

ドサッ―。

再び拓も崩れ落ちる。

「拓!!!」

虫の息。腹を責められ続けてかなりのダメージが蓄積しすぎたのだ。

「酷い…」

涼二は拓の腹をそっと擦る。

「ぉ…ぅぅ…」

顔をしかめる拓。その逞しい腹筋に守られていた内臓が悲鳴をあげている。



「(ここまでか…)」

バシュバシュ!!!!

突然の音。

「!」

佐渡の体が若干飛び跳ねるように動く。

「何やってんだかなー、ったく。」

浩司が佐渡の体に向かって何発か銃弾を撃ち込んだのだ。

「折角の交渉も台無しにしやがって…。お前の快楽に付き合わされる俺の身にもなれよなー。」

バシュ!!!

「それに、交渉が終わってからお前を消すつもりだったのに…段取り狂わせられたのはこっちだぜ。」

バシュ!!!

「最近こっちの業務にも支障がでるぐらいだったからな、あんたらの過剰な遊びも。

建前だろうが、『社員修正のプロ』が笑わせてくれる。勝手に行動し過ぎなんだよ。

上にとっては黒たちだけじゃなく、あんたも邪魔になってたの気付かないのかね…馬鹿が。」

バシュ!!!

「普通の仕事と違って、表に出すと危険な情報を知りすぎてて首に出来ないのも困り者だ。

首=死だからな。そこは同情するぜ。」



呆然とその光景を眺めるしかない海堂と涼二。

浩司がその様子に気付くとようやく海堂に一言話し始めた。



「こういうのも監視役がいないと統率が上手くいかないものでね。大変だ俺も。

…そうそう、今回は見逃してやるよ。おそらく俺らの組織もこの企業からは手を引くだろう。

見切りはとっくについていたのさ。今回の件は優位に事が運べば儲けものだっただけで、

既に内部分裂の決着も今の段階で明らかに判明している。これ以上ここにいても仕方が無いからな。」



「くそっ!お前らが来てから…。」



「そうだな、甘い汁は吸い尽くしたからな。ははは。…じゃあな。」

浩司は傍に止めてあった車でそのまま夜街に出て行ってしまった。

その向こうにあるであろう月は何事も無かったかのように光輝いているのか…。

ふと海堂は時計を見たくなったが何処かに落としたのか腕時計が見当たらない。



「何なんだ…あの人は…。」

突然自分にはわけの分からない事を海堂に話し、何処かに消えてしまった浩司。

今までの雰囲気と違った浩司とその話に涼二は頭がついていけなく、ボーッとしてしまっている。



「ぅ…っ…」涼二の腕の中で拓が呻いている。

「!!そうだ、拓を早く!!!」

「ああ、そうだった!」

拓たちが雨の日に偶然に聞いた声からの顛末。

ようやくその衝撃的な1日が終わり、日付が変わろうとしていた…。
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| スイーパー | 21:45 | コメントする:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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スイーパーその11【★】

※腹責め小説

スイーパーその11


ウィーー

エレベーターは地上に向かって動き出した。

一瞬悲鳴のようなものが聞こえた気がしたが今の2人にはどうでもよかった。



「拓…。」

「分かってる。これは罰だな、自分の驕(おご)りがあったのも…。」

静かな空間。

「怒ると周りが見えなくなるのは以前からでしょ。」

「ははは、そうだな。」

安堵した笑い声のなかに拓の心情を感じていた。

「あの時言った言葉は半分は本当だよ。嫉妬もしてるし…、拓に憧れてるのも。」



「…涼二といるのは何か意図があるからじゃない。ただ一緒にいるだけで落ち着くし、

何より心の底から笑えて楽しい時はいつも涼二がいた…。」

「僕もそうさ。拓といると何だか安心する。でもそれが一番大事なことだって分かったよ。

あの時負けそうになったけど、拓となら何とか出来ると言い聞かせたから。」

ふと数分前の出来事を思い返す2人。

「あ…、ごめん。拓殴っちゃって…。」

「うん?あの場は仕方ないさ。でも結構強かったぞ。何気に。」

「そ、そう?ごめん…。」



「いいってまったく。また何か嫌なことがあったら俺の腹を貸してやるさ。

サンドバックにされて一段と鍛えられた気がするからな。ははは。」

無理やり腹筋に力を入れる拓。隆起した腹筋は涼二の目を虜にする。

「それは本気にしていいのかな?」

目が本気だ。

「えっ…ああ。(何だか積極的になったか?涼二)」



-----



「(エレベーターの起動音?誰かが上がって来てるのか?)」



「ああ、心配するな。浩司の奴に後始末を頼んでいたからな。」

後始末?意味が分からない海堂は眉間にしわを寄せる。

まもなく機械音が止みエレベーターの扉が開く。

佐渡の言葉どうりエレベーターから降りてきたのは浩司…、では無かった。



「(あの馬鹿…。)」



「親父!?何でここに?」

「おじさん?」

地に伏している海堂が咄嗟に目に入ったのか2人とも同時に声を発していた。

「拓!!お前、その体は…。」

腫れ上がって所々紫に変色している腹部。

「お前等、拓に何をした!!!俺だけに手をだせばいいだろ!!!くそっ卑怯な!!」

「ああ、偶然小口を殺った場所で我々を見られましてね。遊び道具として連れてきたんですが…、

後であなたの息子だと分かった時は驚きましたよ。良い拾い物でした。」



『佐渡…』

拓と涼二は海堂の横で腕組みをして立っている男の名を呟いた。



「それにしても黒の奴。こいつを半殺しにするどころか逃げられたのかぁ?傑作だな。」

佐渡は予想外の展開だったのか嬉しい誤算だったのか…今までに無い高笑いをしている。

ワザとではあるが…。

「ん?その手に持っているのは何だ?」

こちらに向かって進んでくる佐渡。その気配に腰が引けそうになっていく。

「こいつ!!!」

銃を構え佐渡に向かって発砲する動作をした涼二だったが―。

カチッ、カチッ…。

弾が出ない!!!

「えっ!?」



「残念。あまり調子に乗るからだ。」

佐渡はこうなる事が分かっていたのか、迷い無く歩みを進めていた。



「あ…あぁ…あ…。」



「お前には用は無いんでね。」

佐渡の動きに目がついてこれない。左目に微かに何かの影が映ったが、そこで涼二の意識は飛んだ。

ゴスッ!!!

「が…」


殴られた涼二の体は数メートル程ごろごろと転げ回った後ピクリとも動かなくなった。

「なんてことを…」

「涼二ー!!!」

拓の悲痛な叫び声が広い駐車場に響く。



ウィーー…

「ようやくか。頃合をみて、こいつらと一緒に来いと言ってたんだがなぁ。」

再びエレベーターのドアが開いていた。降りてきたのは浩司だ。

「すんません。段取り狂ってしまいまして。」

「…まあいい。後始末さえ出来てたらな。」

少しイラッとした佐渡だが諦めてため息をついている。

「はい。ゴミを大人しくさせて来ました。後で捨てておきます。」

「ああ。綺麗にしておけよ。」



「ゴミ?」

「いえ、組織のゴミを掃除しただけですよ。海堂さんには関係ありません。」



(怪訝な顔も当然かと思うが話を元に戻させていただく。)



「さてと…。それはそうと海堂さん。来ていただけますよね?」

チラリと拓の方に目をやる佐渡。

「くっ…、こいつ…。」



「じゃあそこでこいつがただの肉塊になるところを見ててください。」

薄ら笑いを浮べる佐渡。



「!!!」



「今度の人質はお前の親父だ。サンドバック君。」

目の前に来た長身の男の威圧感。冷汗が止まらない。

「あ…なっ…」

「とりあえずおまえの苦悶の顔がまた見たいな、以前の続きだ。」

壁に背を向けている拓の耳元で囁く。逃げ場が無い。

「どこまで腹を虐められたんだ?ここはどうだ?」

ドムッ!!!

拓の胃袋を佐渡の拳で潰す。

「うぐっ!!!」

一発腹にボディブローをくらっただけで腹を抱えて蹲ってしまった。

「やはり父親似か。いい顔をするじゃないか。」

「は、腹が…おぐっ!!!」

「なんかこいつ言ってますぜ。」

「腹?もっとやってくれということだな。はは。」



「分かったからもう止めろ!!!お前らの言うことを何でも聞いてやる!!!」

海堂の声が佐渡の耳に届いたが、初めからその気は無い。



「楽しいのはこれからですよ。止めるのはその後でもいいでしょう?」

「お前!!!…くそ、放せ!!!」

浩司は既に海堂の身動きを封じるように体を羽交い絞めにしている。暴れてもビクともしない。
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