夏も終わりを告げようとしていた最後の連休の最終日
人ごみに紛れてとんずらしようと、ようやく人が沢山いる大通りまで逃げ出せて
いたが、もう少しのところで男たちに捕まってしまった…。
「オイなんだあれ」「何?ケンカ?」「こわ~」
街中での騒動に周りの歩行者達が不審な目で青年『黒谷』たちを見ている。
「そこ!!どうした!!」
その騒ぎに警官も駆けつけてきたようだ…。
「君たちこんなところで何をしているんだ!」
『っ、た・・t』
必死に助けを求めようとするが思うように言葉が出てこない。だが
さすがに警官を前にして野郎達も手荒には出来ないようだ。
お互い顔を見合わせ押し黙ってしまっている。
『(助かった…のか?)』
周りの歩行者たちも事態が収拾した様子をみて野次馬も疎らになってきた。
「さあ、こっちに来なさい!まったく!」
「ちぃっ!」
男たちもさすがにやり難い、やけに警官の言うことを素直に聞いている…。
「さあ、乗って!詳しく話を聞かせてもらうからな。」
暑さもあってか、イライラとした表情を見せる警官
「はいはい…」
やれやれという男達。
黒谷と男達3人はパトカーに乗せられ連行されることに。
それから数十分、
『あれ?どこだここ…』
両側に怖い男達が座っていたため俯いて車に乗っていた黒谷。
顔を上げ、あたりを見回してみた時には街中を過ぎ何やら見慣れない建物が、
車で連れて行かれたのは警察でもなんでもない。そこは人気の無い雑居ビル?
キキッ―
パトカーがそんな静寂のビルの前に当然のように停車する。
『え?ここは?どこ?なに?』
戸惑う黒谷の顔は少し涙目だ
「黙って入れや!」
さっきまで大人しかった男たちの表情が一変、怒号が飛ぶ!
両手を縛られた黒谷はその声に驚くのと同時に背中を押されつまずいてしまった。
「ほれ、さっさと入れよ!」
ドズッ!!!『おぐっっ!!…かはっ!…うう・・・』腹を蹴り上げられた黒谷はたまらずその場にうずくまっている。
『は、ハア…ハア…く…がっ…』
「兄ちゃん腹蹴られて苦しいかぁ?でもな、これはお前が話きかんと逃げたからな。
しょうがないな。」
さっきの警官に蹴り上げられたのだ。黒谷は全然状況がつかめていない。
「俺らグルやグル。分かったか?フフッ」
『え…あ…(そんな…)』
「分かったか?もう完全に逃げられねぇぞ。」
シャツを掴み、嫌がる黒谷の体を持ち上げた拍子に黒谷のシャツが捲れ上がる。
そこには・・・
「!ほお~、ガタイ良いとは思っていたがこれはこれは…。
それに、いやらしい腹筋してんな兄ちゃん。おいこいつを脱がせ!」
『や・・めろ・・・!!』
全身丸裸にされた黒谷は2人の男から羽交い絞めにされて身動きが取れない!
彫刻のような肉体を持つ黒谷をご馳走がきたかのように見る男たちの視線に
今までに無い恐怖を黒谷は感じていた。
「金返せないんだろ?借金返済の代わりだよ代わり。
お前の体は金になりそうなんでな。存分に働いてもらうからなぁ。」
『か、体!?』
「ふははは、安心しろ”あっち”のことじゃないぞ。お前は今から"殴られ屋"だ。」
そういうと黒谷の全身をくまなく写真に収めていく取立て屋らしき男達。
「ん?それとも”あっち”のほうが良かったか?あそこも元気なもんだな兄ちゃん。ほれ」
『あ…っ…!!!』
まだ全然出来事が理解できない心身共に興奮状態にさせられた黒谷であった。
つづく