腹筋UK

ズンッ！！！　　『がはっ！！！』
相手の顔に向けていた視線を、鍛え抜いた自分の腹筋に移す…
『う…そ…だろ…!?』
一瞬で間合いを詰められ、
成す術もなく深々と腹にその拳の侵入を許してしまっている…
「いい腹筋をしてるな、実にいい腹筋だ。」
『うっ！！！』
めり込んだ拳を引き抜くと拳状に凹んだ腹筋が露わになる…
咄嗟に腹を守ろうと悶絶しながらも腕で腹をガードしようとするが、
視線の先には既に相手の右の拳が腹筋に到達しようとていた…

試合開始からボディを集中的に攻め続けられた喜田。
5R途中、ついに喜田はコーナーに追い詰められる。
「うっ！…ぐふっ！…はぁはぁ…」
既に喜田は息がし難く、体力をかなり消耗している…。
酸欠気味の喜田の顔が相手のボディへの執拗な攻めを物語っていた。
「ボディをやたら気にしてたみたいだけど、やっぱりか。そろそろ年なんじゃねぇの？
おい後藤、遠慮すんな！おっさんをボディで惨めにKOしてやれ！」
相手陣営からの声が喜田の脳に到達する前に、すでに意識は自分の腹にねまり込んでいる
強烈なボディブローに奪われていた。
ドボオォォォッッ！！！！！



「がはっ！！！（は、腹が！！）」

ゴフッっと血反吐をぶちまける喜田…
ゆっくりとグローブを引き離すと、振り向くことなく後藤はニュートラルコーナーに向かう。
その後ろではマウスピースを吐き出し、息が上手く出来ないのか
リング上で腹を押さえ悶絶したまま動かない喜田。
一瞬の間の後、何かが途切れたように膝をつき、
キャンバスを腹を抱えて転げ苦悶する惨めな喜田の姿があった…。

「喜田さんよー、俺達がその腹筋鍛えてやるよ。」
「そうそう、ボデイーが弱点だなんて克服しなきゃ駄目だよね～♪」

『な、お前ら、く…やめろ…』

「ほらほらバンザイしてその柱に張り付けてやるよ、よく腹筋見える様にな。」
「何でこんなに逞しい腹筋してるのにボディ弱いんだろうな、鍛え方足りないんじゃねーの？」
「ああ…やべっ、涎出てきたwうまそうな体してるのが悪いんだぜ喜田さん。」

『！！』

「もう我慢できねー！！！」「俺もだぜ！！」

ドボォッ！！！ゴバッ！！！
ドズッ！！！グボッ！！！



『がふっ！！げへっ！！…うっ！！』

連続で腹にボディブローを打ちこまれ続け、おえっと吐血する喜田
「この感触すげぇな…すげぇめり込んでるぜ…」
「俺やべぇ、もうイきそう…たまんねー声で苦しむ喜田さんいいっす…」
「まだまだ早いぜ、もっと楽しんでやろうや…へへ」