腹筋UK

実況「賞金1億を賭けた立ち技格闘技イベント、極（きわみ）グラディエイターファイト！元は地下リングでやっていたイベントも国内のみならず世界でも年々ネット視聴契約数も増え遂に優勝賞金も1億に！出場するだけでも激戦！しかもトーナメント本選のみならず予選大会といえども完全ランダム抽選で対戦相手が決定する為、有利不利が極端に表れることも…運もかなり強い要素となっています！この大会に出場する選手は一癖も二癖もある戦士ばかり、さあ、次は予選第二ブロック第三試合を見てみましょう！この試合も面白い展開を期待しましょう！」

【八巻勝治（空手）VSザナデル・オグマ（ボクシング）】

実況「ここで両選手のデータをおさらいしておきましょう、垣塚さん」
解説「ええ、まず八巻選手ですが空手を主体にキックボクシングや総合格闘技でも活躍している選手ですね、特徴的なのがその強靭な肉体！ボコボコな腹筋を見ても分かりますがボディへの打撃をものともしないんですよ」
実況「見事な腹筋ですね～、確か彼は筋トレ本やダイエット本、雑誌の腹筋特集でも巻頭を飾ったりでその体を生かして中々人気もあるんですよね」

解説「そうなんです、ネット視聴者数も予選にしてはかなり多いのもこの為でしょうか、その肉体でダウンしても這い上がる不屈のタフさも人気なんです」
実況「そしてザナデル選手、ハーフの選手ですがデカイですね～」
解説「200cm超えの長身です！八巻選手が173cmですから実に30cm差はあるでしょうね、まだ本格的に格闘技を初めて日が浅いですが規格外のファイターとして一発必中な剛腕で知られています、見事な広背筋をしてますね」

実況「垣塚さんありがとうございます、さあ試合の方は一ラウンドが終わってまだ様子見でしょうか特に大きな変化はありません、二ラウンド目が始まります」

解説「大事なことを言い忘れていました…ザナデル選手は自分の気に入った相手に対してはファイトスタイルががらりと変わります…最近、妙な異名が付けられました…気に入られた相手は…」
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八巻とザナデルが対峙してお互いの出方を待っている…
『しかし、首が疲れるデカさだな…どう攻略するか（やはり脚を狙っていくか…）』
ザナデルの相手をすると体力の消耗が激しい…相手は涼しい顔をして流しているが、八巻は既に汗だくで息も徐々に荒くなってきている…
『チッ（やりにくい高さだ）』
実況「八巻、ザナデルにローを放つが有効打にならず！その隙にザナデルが八巻との間隔を詰めます」
コーナーポストを背にした八巻、目の前には大きな壁の圧迫感が迫りくる！

準備が整ったかのようにニヤリと笑ったザナデル…
「八巻さん、貴方のアイデンティティーはその腹筋とボディの強さ、もし私がその自信を砕いたら貴方には何が残るんでしょうかね…フフッ」
『何が言いたいんだ…挑発しているつもりか？』
「いつもノーガード気味の貴方の自慢のボディ…潰されるのが怖いですか？少しだけ現実を見せてあげますよ…」
シュッ…
ドゴォッ！！！



『うごぉっ！！！』
実況「ザナデルのボディブローが八巻の腹筋に直撃しているぅーー！！いつもは平然としている八巻の表情が若干曇りましたか？」
解説「今のは明らかに効いたんじゃないですかねぇ、鈍い音がここまで届きましたよ」
鍛え抜かれた自分の腹筋にめり込んだグローブを見た八巻…人間離れした規格外のパワーをその身に刻まれた瞬間だ


『ごぷっ！！！』
今まで体験したことが無い壮絶な威力とボディへの苦痛！悶絶した八巻の口元からニュルっとマウスピースが飛び出そうとしている
『（こ、これがボディブロー…だと！？俺の…腹…が…）そ…んな…クッ！！』
がぽっと無理矢理口にマウスピースを押し込むと腹を押さえザナデルとの距離を取ろうとする八巻、だがデカイ図体がそうはさせない…
『壁みたいに立ち塞がりやがって…』
「流石は八巻さんの腹筋はそこらの連中とは格が違いますね…普通は今ので一発ダウン、リング上をのた打ち回ってる姿しかみたことないんですが…」
『へっ！腹の鍛え方が違うんでね、地獄の様な腹打ち腹踏みを耐えてきたからな』
強がる八巻の言葉とは裏腹に…その腹は…

『う…くっ…』
腹筋がヒクヒクと収縮を続けている…咄嗟に腹を押さえ息を整える八巻…さっきのボディブローの衝撃からなのか…体が内側から無意識にアレを拒否しているのかもしれない…この異変にこれまで試合で自分のボディに絶対の自信を持っていた八巻はかなりのショックを受けていた…
「体は正直ですね、どうして腹を押さえているんですか？」
『（怖がっている…俺が…！？そんなわけが！！）クソッ！！オラァッ！！！』

ドズッ！！
八巻の右グローブがザナデルのボディを打ち抜いている！！
「おぐっ！！」

『（こいつ…今、わざと殴られやがった…！！）お前…！！』
ボディに放たれた八巻の右腕を掴むと
「うくっ…なるほど…貴方のパンチがピストルなら私のパンチはバズーカ並な体感だったでしょうね、井の中の蛙な貴方が受けてきた腹打ち…私に言わせれば地獄とは程遠いレベル」
『な…っ…』
「運が悪いですね、このイベントに出場しなければ貴方の自信も濁る事はなかったでしょうに…私が本物の地獄を味あわせてあげますよ、貴方のそのボコボコの腹筋にね…」
八巻を喰らう興奮で唇を舌でなめるザナデル…
『腕を放しやが…！！！！！』
ドゴォッ！！！

『おぐっ！！！』

ドゴォッ！！！

『げぼっ！！！』

ドゴォッ！！！

『ごがっ！！！』


ドゴォッ！！！

『はぐっ！！！』

ドゴォッ！！！

『うごっ！！！』

ドゴォッ！！！

『がはっ！！！』

『（口から…な、内臓が…飛び出…る…）ぐえええっっ！！！』
実況「八巻がマウスピースを吐き出したァーー！！ザナデルの連続ボディブローが八巻の腹に次々とめり込んでいるぅーー！！まさに磔状態！！リング上では殴られる鈍い音と同時に呻き声が響いています！！！」
解説「…ザナデル選手のお気に入りになった相手は何故か腹を狙われるんです、それが”臓物（はらわた）喰いの巨人（ジャイアント）”…彼に付けられた異名ですが、…今回は特に喰い殺してしまう勢いですね…」　
ドゴォッ！！！　

『うげえっ！！！』
「この心地いい腹筋の硬さ…今日は本当に運がいい…」
八巻のボディの感触が全身に沁みわたり更に気分が高揚していくザナデル…

次→【★】臓物（はらわた）喰いの巨人2～八巻の腹に突き刺さる凶器の正体～

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