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腹筋・腹責め大好きブログ

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スイーパーその4【★】

※腹責め小説

スイーパーその4




佐渡は拓の腹を手のひらでグッグッと押して、その感触を確かめている。

だが無意識に拓は腹に力が入ってしまう。さらに盛り上がる腹筋。



「誰が力入れていいと言った?」



拓は、はっと思ったが、空手をやっていた頃から腹を押されると

どうしても無意識に力が入ってしまうので、それを抜くことが出来ない。



「しょうがない奴だ。力が入らなくしてあげるよ。」



ドスッ!



佐渡は腰を軽く落とし、すばやく拓の腹にパンチを一発いれた。



「うっ!」



少し苦しい表情を見せたが、それでも拓の腹筋は常人のそれとは

違い、なんとか佐渡の軽めのパンチを耐えたようだ。



「やはり、これでは全然効いてないようだな。殴りがいのある体だ。」



「(これぐらいなら何とかなるか…。)」



だが拓のその考えはすぐに消えうせることになる…。



「じゃあ、少し力を入れてやるか。お前の腹筋、力入れとけよ。」



ドスッ!



「ぐふっ!」



「ほらほら、もう一発!」



ゴスッ!



「おぐっ!」



「どうした?顔が苦しそうだぞ!!」



ドグッ!



「ううっ!」



さっきまでの佐渡のパンチの威力とは桁違いの

衝撃が拓の腹筋に打ち込まれる!!その衝撃は腹の内側にも広がる!!



「はあ、はあ、はあ。」



「拓!!!」



明らかに拓の様子が違っている。まだ耐えれる範囲内ではあるようだが、

予想以上の佐渡のパンチの威力に驚きが隠せないようである。



「いいねえ、まだ腹筋に力が入れられる余裕があるか。

さすが鍛えられた筋肉だよ、お前はよぉ。」



そう言うと佐渡はまた拓の腹筋を撫で回し始めた。



「くそが、よくも俺らをKOしてくれやがってこの餓鬼が。いい気味だぜ。」



「まったくだ。もっと派手にやっちゃって下さいよ佐渡さん。」



「へ、佐渡さんはな~元ムエタイ選手だったんだよ。負けなしのなあ。」



部屋の入り口から声が聞こえてくる。

どうやら部屋の入り口の見張りをしているのは

拓にやられた下っ端の男達のようである。

その男達が拓が殴られる様子を見ながらぶつぶつ言っている。



「お前仰向けに寝ろ。」



「くっ…。」



拓は佐渡に言われるまま床に仰向けになった。



「おい、そこのお前等ちょっと来い!こいつの腹の上に乗れ、

サービスだ。」



「え?いいんすか佐渡さん?今日に限って…。」



「お前らも大変な目にあったしな。こいつに恨みもあるだろ。特別だ。」



「マジっすか!よっしゃあああ!」



2人は拓の傍に駆け寄ると、互いに拓の腹めがけて飛び乗った。



「ッッ!!!!!」



「よくも、俺をやってくれたなあ。おらああ!」



「この生意気な餓鬼が!!」



その場で足踏みやジャンプをする2人。

拓の腹は大きく凹んでいる。2人の体重はどのくらいあるのであろうか?

少なくとも150kg以上の重さが拓の腹に衝撃を与えているのは確かだ。

いくら空手で腹踏みの経験がある拓でも、その腹に何度も飛び乗られたことは無い。

彼ら2人のその飛び乗る反動にあわせて拓の口から声が漏れる。



「おっ…うっ、うっ、がっ、うっ…」



「いいぜ、いい腹筋だぜ。ゴツゴツしてるぜお前。」



1、2分その状態が続いただろうか。



「もういいか?おまえら?」



佐渡が腕を組んでその様子を見ながら言った。



「はい。ありがとうございました。」



また下っ端たちは入り口で見張りについた。

なかなかないご褒美にどうやら満足しているようだ。



「…はあ…はあ…」



拓は腹を押さえて大きく息をし呼吸を整えている。しかし…



「おい、早く立てよ。誰が休んでいいと言った?まだ序盤の肩慣らしだぜ。

やっぱり友達が痛い目みないと駄目なのかな?」



「涼二には手を出すな!!」



拓は思わず佐渡の腕を掴んでしまった。



「おいおい、人形は人様の腕を掴んだりするのかな?お仕置きだ。」



佐渡は拓が掴んでいる手を振りほどき、

体がまだ起き上がっていない拓の腹に膝を全体重をかけて落とした。



ズンッッッ!!!!!!



鈍く重い音が涼二の耳に聞こえた。その聞こえる先に恐る恐る目をやると、

佐渡の膝が拓の腹の胃袋辺りを押しつぶしている姿が涼二には見えた。



「はうっ!!!!!!」



「いいうめき声を出してくれるなあ、お前は。ああ?」



拓の腹にねまっている膝を佐渡はグリグリとさらに奥へ奥へとねじ込もうとしている。



「だいぶ腹筋の力も入らなくなってきたじゃないか?まだか?」



「あうっ!!!!」



膝を拓の腹から離す佐渡…。拓の胃の音だろうか?かすかに音が聞こえる。

その拓は腹を抱えるように横になりうずくまっている。



「さすがのお前の腹筋もこれは少し効いたようだな。

ほらほら!まだそこまで苦しくないだろ!早く立て!」



「…く…、…が…」



「まったく何度も言わせるなよ。立てっつってんだろ!!」



そう言って佐渡は拓の短髪を鷲づかみにすると、拓の体を上へと持ち上げようと

した。拓はその痛みで上半身が起き上がると、何とか立つことが出来た。



「たく、世話かけるなよお前は。」



ボフッ!ドスッ!!ズンッ!



すかさず佐渡は拓の両脇腹に連続でパンチを打ち込む。



「はうっ…はあっ…おうっ…!!」



「それにしても、高校生で!!」



ボスッ!ドフッ!グボッ!



「うごっ…あがっ…かはっ…!!!」



「こんなスゲエ筋肉持ってる!!」



バシッ!べゴッ!ドムッ!!



「おうっ…うぐっ…げへっ…!!」



「奴がいるなんてなあああああああああ!!!!」



ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!

ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!

ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!




腹に30連発で拳をぶち込む佐渡。

拳が腹に打ち込まれる間中、拓の体はほとんど地に足が着いていない状態になっていた。



「うっ、おっ、はうっ、くはっ、あっ、あああ、うぷっ…、うぐっ…、

………………………………………!!!!!」




拓の様子がおかしい…。体中が汗で濡れ、額に脂汗をかいて顔から滴り落ちる…。

しかも両腕で腹を抱えたまま固まってしまった。

その腕の中では腹筋がひくひく動いているのがわかる。

それを見ると佐渡はパンチを打つのを止めた。



「おっと、少し打ちすぎたようだな。うん?」



拓の首に腕を回し自分の体に拓の体を引き寄せる。



「出したいんだろ?楽にしてやるよ。」



耳元でそう呟くと腹を抱えている腕を振り解き、そのまま勢いをのせ

体重をかけた膝蹴りを拓の腹にねじ込ませた。



ドボオオオオオォォォォォォォ!!!!!



ものの見事に佐渡の膝は拓の腹部を突き上げ体はくの字に曲がっている。

その拓の背中は膝が入っている分が盛り上がっているのが、涼二の目にも明らかだった。

拓がそのまま倒れないように首相撲の体勢をとる佐渡。

ねじ込んだ膝を離す…。凹んだ拓の腹筋が激しく動いている。

そして次の瞬間拓の目が大きく見開かれ、口から大量に胃液を吐いた。



「おえぇぇぇぇぇぇ!!!」



「た、拓ぅぅっ!!!もうやめてくれええええ!!!」



涼二の叫びもむなしく、まだまだこれからという佐渡の笑顔がそこにはあった。

そのまま倒れ、腹を押さえてうずくまりたい拓だが、

拓の体を掴んでいる佐渡がそれをさせてはくれない。



「汚いな、俺のスーツにかかっただろうが!お前の臭ぇ胃液がよ!」



佐渡は首相撲の体勢から連続でそのまま膝蹴りを拓のボコボコの腹筋にきめる。

その度に拓の腹筋はひくひくと動き、口からは胃液を膝蹴りが腹に入ると同時に

吐き出している。



ズンッッッ!!!!!!



ドシンッッッ!!!!!!



グボッッッッ!!!!!!



ドボオッ!!!!!



「がはっ!うぇっ!げへっ!おぇっ!」



「たまらんな。お前も良い顔するじゃないか。もっと苦悶の表情をみたい。」



佐渡は下っ端の男にロープを持ってくるように命令した。



「ううっ…、いったいロープで…。」



口から胃液を垂らしながら佐渡に問いかける。



「もっといい事だよ。少しお前も休ませてやる。」



「何を…」



「佐渡さん持ってきました。」



「よし、こいつの手首に巻き付けてあそこから吊るせ。本物の人間サンドバックだ。」



下っ端は拓の体を軽々と持ち上げると拓を天井からサンドバックのように吊るした。



「いい眺めだよ。お前の肉体は本当に素晴しい。俺だけにそれを堪能するのは

申し訳ないんでね。同じ仲間にもその肉体の味を知ってもらいたいんだよ。

連絡は入れといたからな。どいつもこいつも血気盛んな奴等だ。

来るまで体力回復させとけよ。」



「!!!」



「そんな!!」

涼二は拓の姿を直視できないでいた…。
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| スイーパー | 21:34 | コメントする:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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スイーパーその3【★】

※腹責め小説

スイーパーその3



どのくらい車は走ったのだろうか?

涼二は既に今から何が起こるのか考えているようで、

恐怖で顔が真っ青である。

拓は涼二の事が心配なのか隣に座っている涼二の手をずっと握っていた。

いや、自分でも誰かの助けを乞いたかったのかもしれない。不安なのだ。

車は大道りに出て高層ビルが立ち並ぶ場所を進んでいる。

やがて車はある高層ビルの地下駐車場に着いた。

周りには一台も駐車されている車は見当たらない。



「降りるぞ。歩け。」



また佐渡と浩司はナイフを2人の背中に突き付け、余計な真似が出来ないようにしている。

先に降りていた下っ端の2人は、地下駐車場のエレベーターでドアを開けて佐渡達が乗るのを

待っていた。6人がエレベーターに乗り込むと、男は何やら機械を取り出しエレベーターについている

階数ボタンではなく、その下に何かをはめ込む接続部分に押し込んだ。

するとエレベーターの階数表示が00を表示したまま下に降り始める。

拓はさすがに生唾を飲み込んだ。



「歩け。」



エレベーターは何階に降りたのか分からないが、軽快な音を立ててドアが開いた。

そこは外の暗闇とは真逆の昼間であるかの様な明るさである。

涼二はあまりの眩しさに目を瞑った。

そしてゆっくりと目を開け、その部屋の中を見た。



何も無い…。いや、正確に言えば何かある事はあるのだがよく分からない。

全体を見渡すと殺風景な部屋だ。



「ここは…。お前らは一体何なんだ!?」



「っああ?てめえが知る必要ないだろうが。」



浩司が声を荒げ拓の前に出ようとする。しかし佐渡が浩司の前を遮った。



「まあいいだろう。教えてやるよ。俺らはこの会社の掃除屋だ。

掃除といっても人を抹消して綺麗にすることだ。お前等が見た奴は、

この会社の重要機密をネタに他の競合会社にその機密を売りさばこうと

しているとリークがあったんでね、消してあげたんだよ。

普通は事故に見せかけて殺るんだが、この馬鹿がヘマしたおかげで、

殺そうとしている事がそいつにバレてな、あの路地まで逃げやがった。

で、直接確実にあの男を殺すことになったんだ。

まったく、誰かに見られる危険があるから嫌だったんだがね…。」



佐渡は拓達を笑顔で睨んでいる。

涼二はその表情を見てさらに顔が真っ青になっている。



「そうそう、ここは社員の修正場だ。会社に対して殺すまではいかないが

危険な社員を、その身をもって償ってもらおうという場所さ。」



「ここまで言えばもう分かるか?所謂お仕置き部屋だ!」



「で、でもそんな事していたら…。」



涼二の声が震えている。



「どうやら、どうしてそんな事をされた社員が警察やら弁護士に訴えないのか

不思議そうだな。答えは簡単だ。そいつらの家族・身内・知人すべてが人質だからだ。

やられた事をバラしたらどうなるか、暴力以外にもいろいろとやり方があるもんだよ。

いくら駄目な社員でも他人の人生をめちゃくちゃにするのは辛いんだろうかね?ははは。

まあそんなところだ。」



一通り喋り終わると佐渡は胸ポケットからタバコを取り出し、ライターで火を点け吸いだした。



「ふ~。もういいだろ。浩司。」



「はい。」



佐渡が浩司にそう言うと浩司は突きつけていたナイフを拓の背中から離した。

だが涼二の背中にはまだナイフの刃が向けられている。



「へー、お前等K高校に通ってるのか。住所は…。」



何でこいつがそんなことを知っているのかと佐渡の方を見ると、

彼の手には拓と涼二の生徒手帳と携帯が確認できる。

2人は「あっ」と思ったがもう既に時遅しである。



「さてと、そろそろやるか。俺もこいつが馬鹿したおかげで直に給料に響くんでね。

イライラしてんだよ。そっちのお前は一応人質な。浩司、そいつが何かしようとしたら

殺れ。上からは殺すなと言われたが、まあ暴れたとか適当に理由つければいいだろ。」



「わかりました。」



「た、拓…。」



「涼二、心配すんな。お前は絶対に動くなよ。俺がなんとか…。」



「ああ、そうそう。拓君だっけ?お前も何か妙な真似してみろ、友達は

ぽっくりあの世逝きだ。お前は俺のサンドバック役な。腹を殴った感じだと

かなり鍛えてるようだし、腹だけ責めてやるよ。なかなか楽しめそうだ。」



佐渡はニヤニヤ笑っている。



「おい、上半身裸になれよ。」



「…。」



拓は無言で服を脱ぎ始めた。

服を着ていてもはっきりとわかっていた筋肉がその全貌をあらわにしていく。

背筋、大胸筋、上腕二等筋。三角筋、腹筋、腹斜筋、どれをとっても発達した

立派な肉体をしている。逆三角形の綺麗な体だ。

その中でも腹筋が特に素晴しく、6パックが一つ一つくっきりと浮かび上がっている。

薄っすらと盛り上がっている血管の筋も素晴しい。

とくに上腕二等筋の血管は太く浮き出ていて男らしさをさらに際立たせている。

首筋にある血管もきれいに浮き出ており、拓の男前の顔をさらに魅力的にさせている。



「予想以上だ。これは良い。」



佐渡は拓の体の筋肉を一つ一つ堪能するように手で撫で回している。

特に腹筋を丁寧に撫で回す佐渡。拓はじっと耐えるようにその様子を見ていた。



「(すごい…。前に見たときより一回り大きくなってる。)」

拓の体に感心しながらも、涼二は不安に見守っていた。
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| スイーパー | 21:31 | コメントする:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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スイーパーその2【★】

※腹責め小説
スイーパーその2

「こいつは酷いな。涼二お前もこっちに入れ。」


「え?いいよ。大丈夫だから。」
「いいから入れって!」

涼二の腕を引っ張り、傘の中に引き込む拓。
その拍子に涼二は拓の胸に顔をぶつけてしまった。
雨で冷たくなっていた涼二の顔は拓の胸の鼓動を感じた。
ピクッっと体が何かに反応する拓。

「いつも強引だな拓は。ん?どうしたの?」

拓の顔が真剣な顔つきに変わる。


「いや、何か悲鳴みたいなのが聞こえたような…。」
「悲鳴?女の?」

キョロキョロと辺りを見渡す涼二。

「ん~わからん。男の声かと思ったけど。雨の音が大きすぎてよく聞こえなかったんだ。」

「気のせいじゃ…」



『ぎゃああああああ!!!』

「!!!!」

涼二が最後まで言葉を発する前に、確かに何かの悲鳴が今度は涼二にも確かに
聞こえた。
「な、何今の?男の悲鳴が…。」
「あっちか?」
そう言うと拓は目を細めながら人気の無い道を進みだす。
さらに強くなる雨。

「たぶんここら辺だと思うんだけどなぁ。」
「もういいよ。暗くてよくわかんないし、行こうよ拓。」

涼二の制止も聞かず、どんどん路地裏に進む拓。

「何かあったらどうするのさ。ねえ。」
不安で拓の腕を握る涼二。
「大丈夫だって。俺がいるんだから。」

「それはそうだけど…。
まったく、好奇心旺盛なのは昔から全く変わんないね。付き合わせられる身にもなってよ。
そんなんだから前の彼女とも上手くいかないんだよ。」

「お前、何でそこでそういう話になるんだよ。だいた…。シッ!」

拓は急に涼二に黙るように指示した。
「何か話し声が聞こえる。あっちだ。」

さらに路地裏を曲がる2人。

そこは何も無いただの行き止まりになっていた。



「誰もいないじゃん。やっぱり聞き間違いだよ。猫か何かだったんでしょ。」



安堵する涼二。拓の腕を握っていた手の力も一気に抜けた。



「もう、早く帰ろうよ。お腹すいたからさ。…拓?」



拓の顔はさらに強張った表情に変わっている。



「涼二!見るな!」



「へ?」



「見ちゃだめだ!」



さっき曲がった道の反対に中年の男が1人倒れていた。

道には雨でも流れきれない程の血液が飛び散っている。

その男は仰向けに倒れ、まだ体から溢れんばかりの血が流れ出ているのだろうか。

体の周りに血の水溜りが出来ている。

どうやら胸や腹を何回も刺されている様だった。



「しっかりしろ涼二!」



それを見て、涼二は体中の力が抜け意識が飛ぶような感覚に襲われる。

しかし、拓の声によってどうにかそれは免れる。

だがそれよりもその男の横に4人の男が立っているのにようやく

気が付いた。



「…これは困りましたね。せっかく雨の音で綺麗に掻き消せると

踏んでいたのですが…。見られちゃいましたね。」



「すんません兄貴。浩司の奴を見張りに立たせていたんですが、あいつ…。」



「まあ、何とかなるでしょ。とりあえず、解ってるよね佐渡君。」



見た目サラリーマン風の男が佐渡と呼ばれた長身の男と話している。



「じゃあ私は先に行くが、殺しはするな。後は好きにしていい。」


「はい。おい、奴等を捕まえるぞ。」



男達が涼二たちの方向に向かって走ってきている。



「ちっ。参ったなあ、まさか殺害された男の悲鳴だったなんて。

奴等こっちに来てるな…。もう少し道が狭けりゃ1人ずつ相手に出来たんだけど、

3人か…。ギリギリか?」



呆然と立ち尽くしている涼二とは対照的に、拓は冷静に状況を判断すると、

涼二の方を向き涼二を安心させようと手を握った。



「これ荷物な!ちょっと持っててくれ。すぐ終わるから。」



荷物を渡す拓。



「いくら拓でも3人相手には無理だよ。逃げよう!」



しかし拓は聞く耳をもたない。すでに腰を軽く落とし相手が向かってくるのを

待ち構えている。



「へえ、…素人じゃあ無いようだな。」



佐渡は拓と部下2人の様子を静かに見ている。

ついに男が涼二達のところまで来た。

1人目の男が拓の顔面めがけて右ストレートを放つ!

しかし拓は顔のすれすれで男の拳を受け流す。

そしてその反動を利用して男の側頭部にハイキックを決めた。



男「ぎゃっ!」



男は白目を向いてその場に崩れ落ちた。



「っしゃあ!!次ぃ!!」



2人目の男は腰から提げていたナイフを取り出し拓に振り下ろした。



男「こいつがああ!!」



興奮して拓に襲い掛かる男。

だが拓には動きが遅すぎたようだ。軽々とそのナイフを避ける。

そして、相手が手に持っていたナイフを蹴り上げナイフを手から離させると、

相手の顎に強烈なフックを放つ!



男「あ…。」



男は佐渡の足元に吹き飛んだ。



「うっし!!」



「やるねえ。だけどいいのかな?お友達は。」



「!?」



拓が涼二の方に振り返る。

そこには大柄な男に羽交い絞めにされ、首筋にナイフの刃を当てられている

涼二の姿があった。



「拓…。」



「なっ…、涼二を放せ!!そいつは関係ない!」



拓の顔色が変わる。涼二を人質に取られ動揺してしまっている。



「浩司、お前何処いってたんだよ。見張っとけっつっただろ。

面倒ごとがまた増えただろうが。」



「雨にずっと打たれてたら、小便したくなって。すみません。」



「アホか。そんくらい我慢しとけボケ!」



「…。」



ゆっくりと拓の所に歩み寄る佐渡。

拓は佐渡を睨みつけている。傍までくるとその男の威圧感は凄まじい。

離れているとあまり感じなかったが、デカイ。涼二にナイフを押し付けている

浩司という男もデカイが、身長だけなら佐渡のほうがあるだろう。

おそらく190センチはありそうだ。

それに対し拓の身長は175センチ程だ。

体格がもの凄い彼もこの身長差は脅威だった。



「凛々しいね。いい顔だ。」



拓の顔を人差し指でなぞる。

顎のところに指が行くとクイッと拓の顔を上に持ち上げた。



「くっ。」



「あまり調子に乗らないことだ。」



拓の口を手で塞ぐと脇腹に拳を打ち込む。



ズンッ!!



拓の顔が一瞬苦痛に歪む。



「ンーンーッッ!!」



「…。場所を変えよう。ここだといずれ警察が来る。」



「うっす。おい!ちゃんと歩け。」



涼二は浩司に持ち上げられ、半ば足が浮いた状態で運ばれている。



「お前ら何時まで寝てるつもりだ。行くぞ。」



拓に倒された男達は頭をさすりながら起き上がった。

彼らは状況を把握すると、自分達が乗り付けてきた車に

すぐさま向かった。そう遠くない所で車のエンジン音が聞こえる。



「さあ、俺達も行くぞ。」



「くっ、何処に行くつもりだ!!」



「何処って、俺達が雇われているビルさ。さっさと歩け。」



佐渡は足元に落ちているナイフを拾うと拓の背中に突きつけた。

路地を抜けると少し広い道路に出る。街灯も無い道路に、車の

ライトがまぶしく光っている。いつも通っている道がこんなにも

闇に包まれる所だったとは…。

車に着くと、すでに涼二は浩司と共に車の後部座席に座っている。

さっきの男達2人は運転席と助手席に待機していた。どうやらこの2人は

立場的に浩司よりも下のようだ。拓を先に車の後部座席に乗せる。

佐渡はナイフを拓の脇腹に向けて、反抗できないように密着して座った。



「出せ。」



車は闇の夜を切り裂くように突き進む。

夜中まで降るだろうと思われた雨はすでに止んでいた。
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| スイーパー | 21:27 | コメントする:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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スイーパーその1

※腹責め小説
スイーパーその1

「遅いな~、何やってんだろ拓。雨まで降ってきちゃったじゃん。
こんな事ならもうちょっと時間潰してけば良かったかな?」

全国的に梅雨が終わりかけの季節…。
涼二は通っている高校の少し先にあるコンビニで、友人の拓を待っていた。
拓とは小学生の頃からの友達でいつも一緒に遊んだり、勉強したり、
お互い恋の相談をしあったり、でもそれぞれ性格のタイプが違っているせいか、
よく口論になったりと忙しいコンビであった。
涼二はどちらかと言えば温厚で真面目な性格をしており、高校でもあまり目立った
存在ではない。部活は弓道部に所属しているが、2年になった今でも上達しているかと
いうとさっぱりな腕である。正直入部して2ヶ月ほどの新入生のほうが上達の
スピードが速く、涼二を軽く追い越しそうだ。
それに対し拓は何事に対しても前へ前への積極的な性格をしている。
小学生の頃から始めていた空手は強く、県でも上位に入るほどの実力である。
高校では前々から野球に興味があったためか、空手部からの入部の誘いも断り、
今では野球一筋の高校球児を楽しんでいる。もともとスポーツは何でもこなす拓であったが、
野球で有名な高校で既にレギュラーを獲得している。そのためかどうかは分からないが、
高校内ではその爽やかな顔も相まってかなり人気があるようだ。

ふと涼二が顔を上げて高校に向かう道を見ると
拓がこちらに走って来ているのが窺えた。

「はあ、はあ、ごめんごめん。かなり待っただろ?」

「いや大丈夫だよ。でも遅かったね。」

「大会も近いからさあ、監督の練習がキツイのなんのって。
もう散々いじめられたぜ、まったく冗談じゃない。」

「あっそうか。地区大会が始まるんだったね。」
「……。」

傘も持たず走ってきたため拓は全身が雨でびっしょり濡れていた。
よほど全速力で来たのだろうか、喋りながら肩で息をして呼吸を整える。
制服の白いYシャツが透けて拓の逞しい体をさらに際立たせている。
息をするたびに褐色の胸の筋肉が上下に動いているのがよくわかる程だ。
それを見て涼二は少しだけ黙ってしまった。

「そうさ。去年は県大会で準優勝だったからな。今年こそ甲子園に行かなきゃな。
うん?どうしたんだ涼二?」

「…いや、…何でもないよ。」

「?そういえば、今日何か相談に乗って欲しいから俺の部活が終わるのを
待ってたんだろ?何だ相談って?」

喋ると同時に拓の顎から水滴がしたたり落ちる。

「…ああ、やっぱいいや。ごめん。」

「?」

涼二はもう弓道部を辞めようと思って拓に相談しようとしていた。
拓と違って運動が得意というわけでも無い。容姿も平凡な高校生。
それとは逆にスポーツ万能で容姿も体も申し分ない拓。
比べちゃいけないとは思っていても、どうしても比較してしまう。
あっという間に野球を自分の物にし、レギュラーまで掴んだ友人。
反対にどんなに頑張っても一向に上手くならない自分に嫌気が差したのだ。
下から追いつかれ抜かれていく恐怖。

「まあ、涼二がそれでいいんなら別に良いけど。じゃあ帰ろうぜ、辺りはもう
真っ暗だし。あ~、でも今夜は雨かぁ。外で練習できないな。
家の中で素振りすると親父が怒るからなあ。でもいいか。そ~とやっちゃおうっと。」

「えっ?帰ってからも練習してるの?毎日夜遅くまで?」

「ああ毎日の日課のようなもんかな。普通誰でもしてるよこれくらい。
じゃないと皆から遅れをとることになるからな。それだけはなんとか阻止しないと!」

拓はそう言うと涼二の肩をポンポンと叩きながら笑っている。

夢に向かって一点の曇りもない拓の表情を見て、自分が今思っていたことを恥じた。
涼二は必死で努力したことがあっただろうか?いつもこれ位頑張れば大丈夫だろう…。
そんな軽い気持ちで練習していたのではないのだろうか?
そして拓の笑顔で涼二は少し救われた気分になった。いや、救われたのだろう。

「しっかしよく降るなあ。傘持ってきてねぇよ俺。最近天気予報外れすぎだぜ。」

「これ使っていいよ。ほら。」

涼二は自分が持っている傘の柄を拓の腹に押し当てた。

「へ?いいのか?それじゃ涼二が濡れちゃうぞ。」

「いいんだよ。拓がこれ以上びしょびしょになって風邪でも引かれたら、
こっちも迷惑だよ、まったく。はい!その代りこれ持ってよ!」

涼二は照れながらもう一度柄を拓の腹に押し当て、鞄を拓の手に渡した。

「荷物持ちかよ!しょうがねえなぁ。っと。」

Yシャツの袖を肩にめくり上げる拓。
自分の荷物と涼二の荷物を片手で軽々と持ち、その力強い腕がますます太くなる。
力こぶは中にリンゴでも入っているかのようだ。

「じゃ、行こうぜ。」

拓は傘を広げ、荷物が濡れないように配慮しながら歩き始めた。
10分程だろうか、しばらく歩くと一段と雨が酷く降り始めた。

-その2へつづく
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