スイーパーその11【★】
※腹責め小説
スイーパーその11
ウィーー
エレベーターは地上に向かって動き出した。
一瞬悲鳴のようなものが聞こえた気がしたが今の2人にはどうでもよかった。
「拓…。」
「分かってる。これは罰だな、自分の驕(おご)りがあったのも…。」
静かな空間。
「怒ると周りが見えなくなるのは以前からでしょ。」
「ははは、そうだな。」
安堵した笑い声のなかに拓の心情を感じていた。
「あの時言った言葉は半分は本当だよ。嫉妬もしてるし…、拓に憧れてるのも。」
「…涼二といるのは何か意図があるからじゃない。ただ一緒にいるだけで落ち着くし、
何より心の底から笑えて楽しい時はいつも涼二がいた…。」
「僕もそうさ。拓といると何だか安心する。でもそれが一番大事なことだって分かったよ。
あの時負けそうになったけど、拓となら何とか出来ると言い聞かせたから。」
ふと数分前の出来事を思い返す2人。
「あ…、ごめん。拓殴っちゃって…。」
「うん?あの場は仕方ないさ。でも結構強かったぞ。何気に。」
「そ、そう?ごめん…。」
「いいってまったく。また何か嫌なことがあったら俺の腹を貸してやるさ。
サンドバックにされて一段と鍛えられた気がするからな。ははは。」
無理やり腹筋に力を入れる拓。隆起した腹筋は涼二の目を虜にする。
「それは本気にしていいのかな?」
目が本気だ。
「えっ…ああ。(何だか積極的になったか?涼二)」
-----
「(エレベーターの起動音?誰かが上がって来てるのか?)」
「ああ、心配するな。浩司の奴に後始末を頼んでいたからな。」
後始末?意味が分からない海堂は眉間にしわを寄せる。
まもなく機械音が止みエレベーターの扉が開く。
佐渡の言葉どうりエレベーターから降りてきたのは浩司…、では無かった。
「(あの馬鹿…。)」
「親父!?何でここに?」
「おじさん?」
地に伏している海堂が咄嗟に目に入ったのか2人とも同時に声を発していた。
「拓!!お前、その体は…。」
腫れ上がって所々紫に変色している腹部。
「お前等、拓に何をした!!!俺だけに手をだせばいいだろ!!!くそっ卑怯な!!」
「ああ、偶然小口を殺った場所で我々を見られましてね。遊び道具として連れてきたんですが…、
後であなたの息子だと分かった時は驚きましたよ。良い拾い物でした。」
『佐渡…』
拓と涼二は海堂の横で腕組みをして立っている男の名を呟いた。
「それにしても黒の奴。こいつを半殺しにするどころか逃げられたのかぁ?傑作だな。」
佐渡は予想外の展開だったのか嬉しい誤算だったのか…今までに無い高笑いをしている。
ワザとではあるが…。
「ん?その手に持っているのは何だ?」
こちらに向かって進んでくる佐渡。その気配に腰が引けそうになっていく。
「こいつ!!!」
銃を構え佐渡に向かって発砲する動作をした涼二だったが―。
カチッ、カチッ…。
弾が出ない!!!
「えっ!?」
「残念。あまり調子に乗るからだ。」
佐渡はこうなる事が分かっていたのか、迷い無く歩みを進めていた。
「あ…あぁ…あ…。」
「お前には用は無いんでね。」
佐渡の動きに目がついてこれない。左目に微かに何かの影が映ったが、そこで涼二の意識は飛んだ。
ゴスッ!!!
「が…」
殴られた涼二の体は数メートル程ごろごろと転げ回った後ピクリとも動かなくなった。
「なんてことを…」
「涼二ー!!!」
拓の悲痛な叫び声が広い駐車場に響く。
ウィーー…
「ようやくか。頃合をみて、こいつらと一緒に来いと言ってたんだがなぁ。」
再びエレベーターのドアが開いていた。降りてきたのは浩司だ。
「すんません。段取り狂ってしまいまして。」
「…まあいい。後始末さえ出来てたらな。」
少しイラッとした佐渡だが諦めてため息をついている。
「はい。ゴミを大人しくさせて来ました。後で捨てておきます。」
「ああ。綺麗にしておけよ。」
「ゴミ?」
「いえ、組織のゴミを掃除しただけですよ。海堂さんには関係ありません。」
(怪訝な顔も当然かと思うが話を元に戻させていただく。)
「さてと…。それはそうと海堂さん。来ていただけますよね?」
チラリと拓の方に目をやる佐渡。
「くっ…、こいつ…。」
「じゃあそこでこいつがただの肉塊になるところを見ててください。」
薄ら笑いを浮べる佐渡。
「!!!」
「今度の人質はお前の親父だ。サンドバック君。」
目の前に来た長身の男の威圧感。冷汗が止まらない。
「あ…なっ…」
「とりあえずおまえの苦悶の顔がまた見たいな、以前の続きだ。」
壁に背を向けている拓の耳元で囁く。逃げ場が無い。
「どこまで腹を虐められたんだ?ここはどうだ?」
ドムッ!!!
拓の胃袋を佐渡の拳で潰す。
「うぐっ!!!」
一発腹にボディブローをくらっただけで腹を抱えて蹲ってしまった。
「やはり父親似か。いい顔をするじゃないか。」
「は、腹が…おぐっ!!!」
「なんかこいつ言ってますぜ。」
「腹?もっとやってくれということだな。はは。」
「分かったからもう止めろ!!!お前らの言うことを何でも聞いてやる!!!」
海堂の声が佐渡の耳に届いたが、初めからその気は無い。
「楽しいのはこれからですよ。止めるのはその後でもいいでしょう?」
「お前!!!…くそ、放せ!!!」
浩司は既に海堂の身動きを封じるように体を羽交い絞めにしている。暴れてもビクともしない。
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ウィーー
エレベーターは地上に向かって動き出した。
一瞬悲鳴のようなものが聞こえた気がしたが今の2人にはどうでもよかった。
「拓…。」
「分かってる。これは罰だな、自分の驕(おご)りがあったのも…。」
静かな空間。
「怒ると周りが見えなくなるのは以前からでしょ。」
「ははは、そうだな。」
安堵した笑い声のなかに拓の心情を感じていた。
「あの時言った言葉は半分は本当だよ。嫉妬もしてるし…、拓に憧れてるのも。」
「…涼二といるのは何か意図があるからじゃない。ただ一緒にいるだけで落ち着くし、
何より心の底から笑えて楽しい時はいつも涼二がいた…。」
「僕もそうさ。拓といると何だか安心する。でもそれが一番大事なことだって分かったよ。
あの時負けそうになったけど、拓となら何とか出来ると言い聞かせたから。」
ふと数分前の出来事を思い返す2人。
「あ…、ごめん。拓殴っちゃって…。」
「うん?あの場は仕方ないさ。でも結構強かったぞ。何気に。」
「そ、そう?ごめん…。」
「いいってまったく。また何か嫌なことがあったら俺の腹を貸してやるさ。
サンドバックにされて一段と鍛えられた気がするからな。ははは。」
無理やり腹筋に力を入れる拓。隆起した腹筋は涼二の目を虜にする。
「それは本気にしていいのかな?」
目が本気だ。
「えっ…ああ。(何だか積極的になったか?涼二)」
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「(エレベーターの起動音?誰かが上がって来てるのか?)」
「ああ、心配するな。浩司の奴に後始末を頼んでいたからな。」
後始末?意味が分からない海堂は眉間にしわを寄せる。
まもなく機械音が止みエレベーターの扉が開く。
佐渡の言葉どうりエレベーターから降りてきたのは浩司…、では無かった。
「(あの馬鹿…。)」
「親父!?何でここに?」
「おじさん?」
地に伏している海堂が咄嗟に目に入ったのか2人とも同時に声を発していた。
「拓!!お前、その体は…。」
腫れ上がって所々紫に変色している腹部。
「お前等、拓に何をした!!!俺だけに手をだせばいいだろ!!!くそっ卑怯な!!」
「ああ、偶然小口を殺った場所で我々を見られましてね。遊び道具として連れてきたんですが…、
後であなたの息子だと分かった時は驚きましたよ。良い拾い物でした。」
『佐渡…』
拓と涼二は海堂の横で腕組みをして立っている男の名を呟いた。
「それにしても黒の奴。こいつを半殺しにするどころか逃げられたのかぁ?傑作だな。」
佐渡は予想外の展開だったのか嬉しい誤算だったのか…今までに無い高笑いをしている。
ワザとではあるが…。
「ん?その手に持っているのは何だ?」
こちらに向かって進んでくる佐渡。その気配に腰が引けそうになっていく。
「こいつ!!!」
銃を構え佐渡に向かって発砲する動作をした涼二だったが―。
カチッ、カチッ…。
弾が出ない!!!
「えっ!?」
「残念。あまり調子に乗るからだ。」
佐渡はこうなる事が分かっていたのか、迷い無く歩みを進めていた。
「あ…あぁ…あ…。」
「お前には用は無いんでね。」
佐渡の動きに目がついてこれない。左目に微かに何かの影が映ったが、そこで涼二の意識は飛んだ。
ゴスッ!!!
「が…」
殴られた涼二の体は数メートル程ごろごろと転げ回った後ピクリとも動かなくなった。
「なんてことを…」
「涼二ー!!!」
拓の悲痛な叫び声が広い駐車場に響く。
ウィーー…
「ようやくか。頃合をみて、こいつらと一緒に来いと言ってたんだがなぁ。」
再びエレベーターのドアが開いていた。降りてきたのは浩司だ。
「すんません。段取り狂ってしまいまして。」
「…まあいい。後始末さえ出来てたらな。」
少しイラッとした佐渡だが諦めてため息をついている。
「はい。ゴミを大人しくさせて来ました。後で捨てておきます。」
「ああ。綺麗にしておけよ。」
「ゴミ?」
「いえ、組織のゴミを掃除しただけですよ。海堂さんには関係ありません。」
(怪訝な顔も当然かと思うが話を元に戻させていただく。)
「さてと…。それはそうと海堂さん。来ていただけますよね?」
チラリと拓の方に目をやる佐渡。
「くっ…、こいつ…。」
「じゃあそこでこいつがただの肉塊になるところを見ててください。」
薄ら笑いを浮べる佐渡。
「!!!」
「今度の人質はお前の親父だ。サンドバック君。」
目の前に来た長身の男の威圧感。冷汗が止まらない。
「あ…なっ…」
「とりあえずおまえの苦悶の顔がまた見たいな、以前の続きだ。」
壁に背を向けている拓の耳元で囁く。逃げ場が無い。
「どこまで腹を虐められたんだ?ここはどうだ?」
ドムッ!!!
拓の胃袋を佐渡の拳で潰す。
「うぐっ!!!」
一発腹にボディブローをくらっただけで腹を抱えて蹲ってしまった。
「やはり父親似か。いい顔をするじゃないか。」
「は、腹が…おぐっ!!!」
「なんかこいつ言ってますぜ。」
「腹?もっとやってくれということだな。はは。」
「分かったからもう止めろ!!!お前らの言うことを何でも聞いてやる!!!」
海堂の声が佐渡の耳に届いたが、初めからその気は無い。
「楽しいのはこれからですよ。止めるのはその後でもいいでしょう?」
「お前!!!…くそ、放せ!!!」
浩司は既に海堂の身動きを封じるように体を羽交い絞めにしている。暴れてもビクともしない。
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- スイーパーその3【★】 2015/05/28
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